通信簿

2023年12月20日 13時37分

 2学期も残り少なくなってきました。学校では、子供たちに渡す通信簿の作成に追われています。天神小では、学期ごとに通信簿を作成し、ご家庭にお知らせする形をとっています。今学期も担任の先生方が子供たちの頑張りを認め、学習の評価とともに成長の様子を書いています。

 通信簿は、昔からあるようですが、私の小学生の頃の通信簿は5段階評価でした。私の父親、母親の世代は、数字ではなく「優」「良」「可」の三段階評価だったそうです。両親の通信簿も大事にとってあり、それを見せてもらった記憶があります。

 自分が教員になった頃の通信簿はすべて手書きでした。初任者の時に受け持った児童数は40名を超えており、教職の仕事に慣れていない私は、一人一人の所見をどのように書くか、悩みながら作文したのを思い出します。また、一人一人手書きだったため、指にはペンだこができ、途中で書き損じがあると深いため息が出ていました。一晩では書き切れず、3日くらいに分けてようやく仕上げていました。私の場合、仕事が遅くてどうしても提出の締め切りに間に合いそうにないため、徹夜で書いたことが何度もありました。電動消しゴムで削ったり、最初から書き直したり、大変でした。

 時が経ち、ICTが普及する中で、今は通信簿の作成はパソコンで処理できるようになりました。手書きしなくてよくなったのでずいぶん作業の手間は軽減されましたが、文面に込められている担任の先生方の思いは、昔も今も変わりません。通信簿の記述から、子供たちの良い面をしっかり読み取り、たくさん褒めてあげてください。

 ところで、この通信簿は、学校の裁量で出されているものだということをご存知でしょうか。教員の働き方改革が議論される中で、通信簿の扱いについても取り沙汰されることがあります。実際、通信簿を完成するまでには、先生方は学習面の評価を行い、続いて初見を下書きして管理職の先生に見てもらっています。学校から出す文書なので、保護者の方に分かりやすい文章になっているか、表記に誤りがないかなどを複数の目でチェックをしています。こうしたやりとりを経て上質の紙に印刷をし、はんこを押してお渡ししています。個人懇談が学期ごとにありますので、通信簿はなくてもいいような気もしますが、成長の足跡(記録)として通信簿の果たす役割もあるのかなと思います。今回であれば、この2学期に活躍した様子や成長した様子の中から特に伝えたい内容を精選して書いていますので、そうした見方をしていただければと思います。

 大切なのは、この通信簿が子供たちの成長をみんなで認め合い、絆を深める材料となり、次への意欲につながるものであってほしいと切に願います。また、通信簿ができるまで、先生たちは、大切な子供たち一人一人のことを思い描きながら時間を掛けて作っているという事実も頭の片隅においていただけると幸いです。